アトピー・小児ぜん息と炭八の炭

第35回日本皮膚アレルギー学会・日本接触皮膚炎学会の合同学術大会で、島根大学医学部の森田栄伸教授と出雲土建株式会社の共同研究による、調湿木炭「炭八」の炭がアトピー性皮膚炎など環境抗原アレルギーに及ぼす効果への研究として「木炭敷設が有用である可能性が示された」という研究発表がありました。

 

発表要旨

「コナヒョウヒダニやカビなどの環境抗原は、アトピー性皮膚炎の重要な増悪因子と考えられている。

適量の木炭炭八を床下や天井に敷設することで家屋の湿度を低下させることが可能であり、高湿度を好むヒョウヒダニやカビの育成を阻害することが期待される。本研究ではダニあるいはカビ特異IgE陽性のアトピー性皮膚炎患者6名宅にこの調湿木炭を敷設し、皮膚症状およびダニ、カビ特異IgEの推移を検討した。10ヶ月の観察により、6名中5名で著名な皮膚症状の改善がみられた・血清総IgE値、ダニ特異IgE値、カビ特異IgE値も低下する傾向がみられた。以上より、調湿木炭の敷設はアトピー性皮膚炎および環境抗原アレルギーの改善に有用である可能性が示された。

炭八の炭がアトピーの要因を減らす可能性について

アトピー性皮膚炎では、ダニやカビなどの環境抗原が、重要な増悪因子と考えられています。日本は世界的にも高温・多湿な気候風土のために、ダニやカビが発生しやすい状況下にあります。近代化に伴い、現代の住宅にはアルミサッシ、ビニールクロスなどが利用され高気密・高断熱となり、室内の水分(絶対量)が過剰となり、じゅうたん、カーペット、壁、カーテン、フトンなどにダニ、カビが大量に(ダニは一戸につき約5,000万~1億頭)発生しているのが現状です。湿度は、ダニやカビの発生に大きく影響しており、適切な湿度に維持することが健康面から見ても非常に重要です。調湿能力に優れた「炭八」は、湿度を適切に保つことでアトピーの原因要素を減らす可能性があります。