炭の歴史

炭は、木材などを蒸し焼き(空気が不足した状態で加熱)にしてつくられた黒い塊のことです。木や竹など、原料の種類や加熱する温度の違いで多様な炭がつくられます。

大きく分けて白炭(しろずみ)、黒炭(くろずみ)、竹炭(たけすみ)の3種類

 

さて、炭はいつに時代から人間の生活とかかわりをもってきたのでしょうか?

なんと、約30万年前の遺跡から、日本最古の炭が発見されているのです。ビックリですね!!当時から人にとって炭が生活に必要なものだったことが言えますね。

 

奈良時代には炭の製法が改良され、質の高い白炭(しろずみ)がつくられる様になりました。高温で焼かれてつくられるこの白炭は、一度炭に火がつくと火が消えにくい性質で暖房にも使われ始めました。

 

そして1950年代後半炭はその後長い間、料理や暖房の主燃料としてつかわれてきましたが、1950年代後半からはエネルギー源として手軽なガス、石油及び電気が普及し始め炭の使用料は大幅に少なくなってきました。

 

ところが最近では、様々な研究により炭のもつ特別な性質が解き明かされてきて、これまでの「エネルギー」や「炭素材料」としての工業用途だけでなく、微粒子を吸着する等の性質を利用して健康管理や環境保全等日常生活での用途も注目されるようになりました。

 

 

炭の性質

木材は繊維質と無機質(いわゆるミネラル)からできています。多量の水分を含んでおり、木材を蒸し焼きにすると、水分は浸み出したり水蒸気として出ていきます。また、熱で分解しやすい成分がガスと炭素に分解され、最終的にガスは抜け、炭素及び無機質が残ります。

 

成分

・炭素、無機質(灰分:マグネシウム、カルシウム、鉄分など)、水分

・pH8~8.5(弱アルカリ性)

炭素成分が高く、燃料に適する。無機質を含んでおり、ミネラル源となる

 

構造

・炭の表面には小さな孔が無数に存在しており、蜂の巣のような構造になっています。

・この孔は根から水分を養分を運ぶ導管が、炭になる過程で水分等が抜け、そのままの形で縮んでできたものです。

・その導管も内壁にさらにこまかい孔が管と管をつなぐように存在しており、そこに微細な成分がひっかかったり、微生物のすみかになったりします。

・炭の内部も含めた表面積は、1gの炭で200~400平方メートル(テニスコート1~2面分)あります。これもビックリです。

この炭の表面の小さな穴が臭いの成分や水分を吸い込む役割を果すんです。

 

炭の種類と特性

冒頭でお話をしましたが、炭は木の種類、焼き方などにより色々な性質をもちます。だから、使い方によってはあまり効果がでない場合もでてきますので、炭の種類と性質をよく理解して、効果的に炭を使いたいものですね。

 

●広葉樹の中温炭

広葉樹中温炭は昔ながらの製法で焼き上げた黒炭です。

黒炭は柔らかく、火付きが良いという特長があるので、一般的に燃料として使われてきたもの。ミネラル分は広葉樹に多く含まれているので、この黒炭にも多く含まれていますが、黒炭は割れやすく溶けたりしますので、飲み水や炊飯器に入れたりするのには残念ながら不向き。遠赤外線効果から調湿性まではそこそこ効果がありますが、高温炭や針葉樹木炭には劣ります。黒炭は燃料として使うのがベストです。

 

●広葉樹の高温炭

最近話題の備長炭はここに入ります。昔ながらの製法で焼かれ、白炭といわれて硬いのが特長。燃料としても火持ちがよいので適しています。高温で焼かれた炭のほうが遠赤外線効果も高いので、焼き鳥などを焼いたりするのに最適。ミネラルも豊富で硬くて溶けないので、お水を美味しくしたり、ご飯を美味しく炊いたりするには、広葉樹の白炭が最適。だから備長炭が使われ有名なんです。そして、広葉樹高温炭はアルカリ性。酸化を防ぎます。マイナスイオンを集めてり、電磁波を遮断したり。

ここまでくると広葉樹の高温炭は万能選手のようですが、断熱、消臭、調湿性は針葉樹の方が優れています。

 

●針葉樹の中温炭(活性化炭素)

この炭の一番の特質は多孔質であること。孔(あな)が多いということは表面積が広いということ。このため木炭は吸水性、吸湿性、吸収性に富んでいるんです。そして針葉樹のほうが広葉樹より、表面積が大きく空気の膜があるので、断熱性に優れています。針葉樹の中温炭は断熱性が高い、それがとり得です。

 

●針葉樹の高温炭(活性化炭素)

針葉樹の高温炭はとっても優秀。燃料に向かない、ミネラルが少ない、という項目が低い点です。ですから、飲料水や炊飯、お風呂に入れたりするには不向きということ。ですが住宅に使用して、調湿、脱臭能力や酸化防止、マイナスイオン効果など、針葉樹の高温炭(活性化炭素)は優れた性能を持っています。

炭八の炭はここに入ります。

 

●竹の中低温炭

残念ながら広葉樹や針葉樹と比べて評価点は低い竹炭。

高温で焼成することがむずかしいこともあり、ダントツで優れている点はありません。